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 労働過程 

基本規定

  • 前回、生産と労働が表裏のものではないことを確認しました。
  • 今回は、これによって広げられた新たな視角から労働をながめなおすことが課題です。
  • まず、労働とはなにか、基本の基本から考えてみましょう。
    ▶労働とは....
問題 4-1

これらの16のセンテンスを、(1)一番目からM番目、(2)M+1番目からN番目、(3)N+1番目から終わりまで、というように三つのグループに区切ってください。M、Nは?

そのうえで、(1)(2)(3)に、たとえば「情報の匿名性」のような短いタイトルをつけてみてください。

  1. 労働は、まず第一に、人間と自然とのあいだの一過程、すなわち人間が自然とのその物質代謝を彼自身の行為によって媒介し、規制し、管理する一過程である。
  2. 人間は自然素材そのものに一つの自然力として相対する。
  3. 彼は、自然素材を自分自身の生活のために使用しうる形態で取得するために、自分の肉体に属している自然諸力、腕や足、頭や手を運動させる。
  4. 人間は、この運動によって、自分の外部の自然に働きかけて、それを変化させることにより、同時に自分自身の自然を変化させる。
  5. 彼は、 自分自身の自然のうちに眠っている諸力能を発展させ、その諸力の働きを自分自身の統御に服させる。
  6. われわれはここでは、労働の最初の動物的、本能的な諸形態を問題としない。
  7. 労働者が自分自身の労働力の売り手として商品市場に現われるような状態にとっては、人間の労働がその最初の本能的形態をまだ脱していなかった状態は、太古的背景に遠ざけられている。
  8. われわれが想定するのは人間にのみ属している形態の労働である。
  9. クモは織布者の作業に似た作業を行なうし、ミツバチはその蠟の小室の建築によって多くの人間の建築師を赤面させる。
  10. しかし、もっとも拙劣な建築師でももっとも優れたミツバチより最初から卓越している点は、建築師は小室を蠟で建築する以前に自分の頭のなかでそれを建築しているということである 。
  11. 労働過程の終わりには、そのはじめに労働者の表象のなかにすでに現存していた、したがって観念的にすでに現存していた結果が出てくる。
  12. 彼は自然的なものの形態変化を生じさせるだけではない。
  13. 同時に、彼は自然的なもののうちに、彼の目的 --- 彼が知っており、彼の行動の仕方を法則として規定し、彼が自分の意志をそれに従属させなければならない彼の目的 --- を実現する。
  14. そして、この従属は決して一時的な行為ではない。
  15. 労働の全期間にわたって、労働する諸器官の緊張のほかに、注意力として現われる合目的的な意志が必要とされる。
  16. しかも、この意志は、労働がそれ自身の内容と遂行の仕方とによって労働者を魅了することが少なければ少ないほど、それゆえ労働者が労働を自分自身の肉体的および精神的諸力の働きとして楽しむことが少なければ少ないほど、ますます多く必要となる。

解答と解説 4-1

解答

7,11

  1. 動物的形態の労働 || 本能的形態の労働 || 物質代謝としての労働
  2. 目的の先決 || 目的意識的活動としての労働
  3. 合目的的な意志 || 注意力の必要性
4-1 の回答を 
  +  
16/38 ...1点以上  42%

  分
問題 4-2

2 にでてくる「自然力」とはなんでしょうか。文 1- 16 ででてくる用語をつかって答えてください。

4-2 の回答を 
  +  
19/40 ...1点以上  48%

  分

解答と解説 4-2

解答

身体的な力

解説

3の「腕や足、頭や手を運動させる」を一言でいえば....

問題 4-3

11にでてくる「観念的に」は別の文ではどのように表現されていますか?

また「観念的に現存する」の<対>をなすのはなんですか。1〜16にでてくる用語で答えてください。

4-3 の回答を 
  +  
14/41 ...1点以上  34%

  分

解答と解説 4-3

解答

  1. 10の「頭のなかで」
  2. 13の「実現する」
問題 4-4

15. の「注意力として現われる合目的的な意志」を言い換えれば「合目的的な意志は注意力として現れる」ということになる。このような「注意力」が必要となるのは、なぜか?

4-4 の回答を 
  +  
15/40 ...1点以上  38%

  分

解答と解説 4-4

解答

  • 自然的なものの形態変化が、目的どおりに進まないから
  • 実際の変化が、目的から外れてしまう可能性があるから
  • 予期せぬことがたえずおこりうるから
問題 4-5

1-16の文章は、要するに労働となんだといっているのでしょうか。これがなければ労働じゃない、といういちばん大事なことば、本質をなす用語を選び、どうしてそれが本質をなすのか、自分のことばで説明しなさい。

4-5 の回答を 
  +  
17/44 ...1点以上  39%

  分

解答と解説 4-5

解答

合目的的活動 || 目的意識的行動 ||

  • 目的を先にきめて、それを追求する行動が、人間と多の動物の本能的行動と区別される労働になる。

基本の拡張

目的をきめるまえに....

  • うえの問題で考えてきた基本規定は、労働の本質を捉えるだいじなポイントとなるが、
  • でも、現代の労働のすがたを考えるのに、なにかたりない気がする...
問題 4-6

前回の講義を思い浮かべ、「つくる」と「はたらく」の関係について述べよ?

4-6 の回答を 
  +  
23/51 ...1点以上  45%

  分

解答と解説 4-6

解答

  • 「つくった」モノが特定のはたらきをすることで「はたらいた」ことになる。
  • きめられたモノをつくっただけでは、まだ、はたらいたことにはならず、はたらいたといえるには、それが役にたつ必要がある。
問題 4-7
「人間は自己の直接的欲求から離れて,目的を追求できる.これは人間労働の重要な特徴だ.欲求と労働がまったく切断されたものではないとしても,資本主義における労働を考える限り,欲求の充足に関わる労働は考察の外におくべきである」この主張は妥当か.
4-7 の回答を 
  +  
24/56 ...1点以上  43%

  分

解答と解説 4-7

(教科書の問題70です。解答は311-12ページ)

妥当ではない.

「自己の直接的欲求から離れて,目的を追求できる」ということから,ただちに「欲求の充足に関わる労働は考察の外におくべきである」という結論を導くことはできない.労働には,他人の欲求を読み取り,それをどのような目的・手段の関係に具体化するかという能力も含まれている.自分の欲求ではなく,他人の欲求充足の過程に浸透する活動は,資本主義の発展とともに深化している.原理論には,こうした現象を分析する理論的枠組を与える役割もある.

例えば,「おいしいものを食べたい」という欲求と,「美しいスタイルを保ちたい」という欲求は,しばしば対立する.この矛盾は,「どのような食材を買うか」だけではなく「どのような食生活をおくるか」に解決を求めなくてはならない.

労働は食材の生産で簡単には終わらない.その先の加工・摂取の過程につながっている.たしかに作った人と食べる人は別だが,どう食べるか,という領域にも作った人が関わっている.作った後は,すべてがプライベートな領域として,遮断されているわけではない.美食や健康といった欲求と,食材という労働の目的は,食生活という回路で結ばれている.「太らずにおいしいものを食べたい」といった欲求を,どのように実現するかという方向に,労働の領域は拡大してゆく.

せっかくだから,ここで,市場と労働の接合面について,もう少し突込んで考えてみよう.市場に現われる漠然とした欲望を,労働の目的となりうる対象に具体イ匕する局面は,商業の主戦場である.商業労働や接客労働は,他人の欲望を労働対象として,合目的的にそれにはたらきかける活動である.ここでは,まず労働する主体自身の欲求(売り手の好み)と労働の目的(顧客のニーズ)とがはっきり分離されなくてはならない.そのうえで,例えば,メニューをただ渡すだけではなく,選ぶプロセスにできれば介入しようとする.相手の欲求充足の手段は,食材→料理というかたちで,目にみえている.料理は,こちらからみれば,さしあたり労働の目的である.料理という欲求充足の入口はみえているが,その向こう側の欲求がどのように延びているかはわからない.食材から食生活へと,相手の欲求充足の過程を手繰りだす方向に労働は展開されてゆく.はじめに相手の欲求の源泉をみっけて,そこから何を買うかを導きだすことは難しい.「こんな本を買ったあなたは,こんな本も欲しいでしょう」という逆方向のアプローチが自然なのである.

このように,市場はそこに固有な労働を介して欲望に深く干渉するが,ただこのことを,本来の欲望のすがたが商品経済のもとで歪められていると簡単に決めつけないほうがよい.欲望は,どの時代においても社会的な性格を帯びている.商品経済はこの社会性を脱色した後,個人化された欲望に浸透し,それに適した色に染めるにすぎない.繰り返しになるが,人間の欲望は本来プライベートなものだという考え方自体が,商品経済が生みだすイデオロギーなのである.

欲求と目的の問題は,さらに介護や医療,教育や育児における労働の位置づけなど,原理論が今まで明示的に扱ってこなかった複雑な問題に発展するが,ここでは両者の分離可能性が労働概念のコアをなすという命題を確認して先に進む.

目的を実現するためには....

  • 基本規定には、まだ少し不足しているところがありそう....
  • 目的物がきまったらいきなりはじめるのではなく....
1 mini
問題 4-8
  • 「目的」の<対>をなすのはことばはなにか?
  • 目玉焼きをつくることが目的なら、その<対>をなすのは、具体的にはなにか?
  • 目玉焼きをつくときのタマゴは、一般的にはなんとよばれるか?
4-8 の回答を 
  +  
18/35 ...1点以上  51%

  分

解答と解説 4-8

解答

  • 「手段」でしょう。
  • フライパン。ほかにいろいろあるでしょうが...
  • 材料。もう少し一般的にいうと「対象」でしょうか。

解説

  • 人間の労働がミツバやクモの活動と違うのは、先に目的をきめ、それをイメージして行動する「目的意識的」な性格にあるだけではありません。
  • 「目的」といえば「手段」。つまり対象に直接さわるのではなく、「手段」つまり道具を操作します。
  • 人間は道具をつくれる点で動物とは違ういうこともできます。もちろん、動物でも道具的なものをつかっているようにみえることはありますが。
  • 人間の道具は、かなり汎用性をもち、組み合わせ自由で、目的にあわせて準備することができます。
  • さらに、いろいろな道具をどういう順番でつかってゆくのか、操作の「手順」をきめなければいけません。「割ってから加熱する」ので「加熱してから割る」のではありません。
  • どういう条件が満たされたら、操作を切り替えるのかも考えなくてはなりません。「焼けたら火を止める」とか。
  • 手段を準備し操作手順をきめることを「手段の体系化」とよぶことにします。

それでもつくるには...

▶労働というとふつうは...
▶拡張された労働

労働の三つの フェーズ「相」。多面的なオブジェクトを異なる角度からながめたときに現れるそれぞれ独自の側面のことです。

▶フェーズ1:欲求の対象化
▶フェーズ2:手段の体系化
▶フェーズ3:コントロール
▶注意事項
▶今回のまとめ

Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:30