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商品売買の変形:売れなくても買う

概要

  • 前半で、前回の「貨幣の機能」でやり残した部分を説明します。
    • 価値尺度について、正解率がイマイチだったので、補足問題を2問追加しました。
  • 後半は、「売ってから買う」取引形式の変形について考えてゆきます。

販売の困難:買うは易く売るは難し

問題 10-1

自分と同じ商品を売っている人たちがたくさんいる市場では、まわりの人と同じ価格をつけても、すぐには売れない。売るには、ある程度の時間がかかる。これは、その価格で需要と供給が一致していないためだ。

この主張は真か偽か。根拠を述べよ。


解答と解説 10-1

解答

売るのに時間がかかるのは「需要と供給が一致していない」ためではない。市場に持ちこまれる商品の量と市場からでてゆく商品の量が一致しているという意味で、需要と供給が等しくても、市場に一定量の商品がたまっているかぎり、売るには時間がかかる。

解説

たとえば、通路の入口から入る人の数と出口から出る人の数が一致していても、そこを抜けるには時間がかかるようなもの。

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▶在庫
問題 10-2

すぐに売れないからといって、即座に値下げをしないのはなぜか?


解答と解説 10-2

解答

商品には一定の価値があるから、その価値を下回る価格で急いで売り急ぐ必要はない。

解説

ここは、すぐにはピンとこないかもしれません。

同じ商品を売ろうとしている人がまわりに大勢いて、そのうちのだれかがいま目の前で、たとえば100円で実際に売ったのを見たとします。その人の商品と自分の商品は、混ぜたら見分けがつかなくなる、同じ缶ジュース。というときに、あわてて90円で売りますか?周りを見ると、次々に100円で売っている人がでているわけですから、自分の缶ジュースにだった100円の価値があると考えて、100円で売れるのを待つでしょう。

商品に価値があるということと、売るのに時間がかかるということは、表裏の関係にあります。

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▶after
問題 10-3

同じ種類の商品を、多数の売り手が競争で売るとき、売るのにかかる期間はどうなるのか、簡単な例で考えてみよう。

いま、自分と同じ種類の商品の売り手が、自分も含めて10人いるとする。

みんなその商品を1個もっており、売れたらまた新しい同じ種類の商品をもって売りにくる。

一日一個が買われる。これは規則的。

だが、だれの商品が売れるかは偶然。売れる確率はだれも $x$ である。

このとき、10日目までに自分の商品が売れている確率はどのくらいか。

1日目に売れていない確率は $1 - x = y$

2日目までに売れていない確率は $y^2 =0.81$

10日目までに売れていない確率は $y^{10} \fallingdotseq 0.35$

したがって、10日目までに売れている確率は 約 $z$ となる。

sellrandom.png

解答と解説 10-3

$x = 0.1, y=0.9, z = 1 - y^{10} = 0.65$

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▶after
問題 10-4

10-3のつづき。

平均何日で売れるか?考えてみよう。

一日目に売れている確率は A

二日目に売れる確率は、一日目に売れなくて二日目に売れる確率だから B x A

三日目に売れる確率は、一日目に売れなくて、二日目に売れなくて、三日目に売れる確率だから B x B x A

平均何日で売れるか?は、1日に一日目に売れる確率をかけた値 + 2日に二日目に売れる確率をかけた値 + ....... となるから、計算すると10日になる。

もし競争せずに、みんな列をつくって売れば、10日目に自分の番がきる。列をつくらずに、競争でバラバラに売れば、早く売れたり遅く売れたりするが、でも平均すると10日で売れる。アタリマエ。

「平均10日で売れるということは、少なくとも20日たてば必ず売れているはず」といったら、友達に「そんなことはない」と笑われた。

友達が正しいのか、自分が正しいのか、AとBの数値をいっしょに、教えてください。


解答と解説 10-4

$ 1 \times (1-0.9) + 2 \times 0.9 \times (1-0.9) \times + 3 \times 0.9^2 \times (1-0.9)+...... = 10$

$A=0.1, B=0.9$

友達の言うとおり。20日たっても $ 0.9^{20} \fallingdotseq 0.12$ の確率で売れ残っている。

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▶値引き

回り道:窮すれば通ず

商品売買の変形:売ってから買うばかりでは能がない

問題 10-5

あなたがスニーカーショップをやってるとしよう。

店には100万円ぶんの商品が並べてある。

ところが今月は、どういうわけか、売り上げが伸びず、月末の家賃を支払う現金が足りない。

困ったな!どうしよう....(もちろん別に貯金があるわけではない、もうピンカラ)

でも、窮すれば通ず、やり方はいくつかありそう。あなたならどうしますか。

ただし、ここは「原論」、具体例をアレコレいくつも並べるのはダメ。理論的にしぼっていくつかあげてください。


解答と解説 10-5

解答

  1. 値引き:だれでも考えつくこと。たしかに宣伝は必要。でも値下げもせずにただ「売ってますよ〜」って宣伝してもすぐに売れはしない。「セールはじめました!」と宣伝はするものなり。
  2. 家賃を待ってもらう:といっても、そう簡単にはOKしてくれないでしょう。そこで、今月分の家賃、ちょっと余計に払うから、来月までよろしく、お願いします... くらいは言わないとダメ。
  3. 貨幣を借りる:家主があまり家賃の割増を要求するようなら、現金を借りて、定額で払ってしまおう。でも、だれもタダでは貸してくれない。恒常的な取引がある銀行なら貸し越し(預金がゼロでも)してくれるかも(ただし負債>預金の預金設定)。あるいは来月12万返すから、いま10万円貸して.... と、知り合いに頼む。友達がいなければ、質屋さんもいるし、マチ金(高利貸)という手もあるし....
  4. 商品を引き取ってもらう:売れ行きよさそうな同業者に頼めば在庫を引き取ってくれるかも。でも、足下を見られ、12万円、13万円、14万円...相当の商品を10万円に、買い叩かれるかも....

値引き ⇄ 後払い ⇄ 借り入れ ⇄販売委託


解説

異なる対応策があり、その間に

値引き販売による損失≒家賃の割増分≒借入利子≒販売委託による損失

というマイナスの関連がある。このマイナスを見くらべ、意志決定をしなくてはならない。

そして大事なこと、一度決定を実行したら、基本、やり直しナシ! 後には戻せない。キッパリ決断しよう。やっぱり .... にしておけばよかった、といっても後の祭り。貨幣を中心とした市場では、一度 X 円で G---W をやったら、同じX円だからといって、簡単に W --- G ができるわけではない。

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▶after

まとめ

▶売買の変形

売買と貸借

  • 売買の変形のなかから「貸借」が発生する。貸借とは何か、考えてみよう。
問題 10-6

1000万円の価値があるオフィスを100万円払って「借りる」ということは、オフィスの10分のⅠを「買う」ことと同じだ。

真か偽か、判断の理由を述べよ。


解答と解説 10-6

解答

偽。借りたのはオフィス全体を一定期間「利用する権利」。100万円という賃料 レント はこの「利用権」という商品の価格である。

解説

一般に、賃料を払って「借りる」というのは一定期間の「利用権」を「買う」ことである。

オフィスのリースでも、レンタカーでも、レンタルビデオでも、基本は同じです。

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問題 10-7

貨幣が必要なときは、利子を払えば貨幣を買うことができる。

真か偽か、判断の根拠を述べよ。


解答と解説 10-7

利子も、貨幣の一定期間の利用権の価格である。

100万円の利子で、1000万円が買えるはずがない。

利子は、貨幣の賃料。

土地が賃料が地代であるのと同じく、貨幣の賃料が利子なのだ。

期限がくれば、当然、1000万円の元本は返さなくてはならない。

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問題 10-8

貨幣は、時間の経過とともに利子を生みふえる。

真か偽か、判断の根拠を述べよ。


解答と解説 10-8

貸さねばふえぬ。自然にふえるわけではない。

貸した貨幣は、借り主が使うのであり、貸し主はその間使えない。

返済された貨幣は、元とのままの金額。元本は1円もふえていない。

ただ、賃料としての利子が、利用料として支払われただけ。

ところが、貨幣の場合、貸した対象と賃料が同じである。

賃料である利子が、元本に対して何パーセントいう利子率で表される。

このため、元本自体がふえたという錯覚を生み、「利子生み資本」などという混乱した用語が氾濫する。

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まとめ

▶レンタル

Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:30