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商品売買の基本形:売ってから買う

概要

  • 前半で、前回やり残したフィアットマネーについて解説。
    • そのまえに、信用貨幣:日銀券の復習と補足
  • 後半は、貨幣の実在する市場、売買の連鎖について話します。
    • 価値尺度・流通手段・蓄蔵手段の貨幣の三つの機能が中心になります。

貨幣が実在する市場

▶貨幣一極集中型

貨幣の機能

▶価値尺度
問題 9-1

リンゴの重さをはかるのと、リンゴの価値をはかるのとでは、どこがどう違うのか?


解答と解説 9-1
  1. リンゴの価値は、①売り手が貨幣量で表現した価格を、②買い手が認め買う、という①表現+②実現の2ステップではかられる。
  2. リンゴの重さは、だれがはかっても同じなので、共通の計測装置(はかり)にかけるという、1ステップではかられる。
3 minutes
9-1 の回答を 
  +  
44/91 ...1点以上  48%

  分

追加問題


問題 9-11

重さは見ることができるが、価値は見ることができないため、それぞれのはかり方に違いが生じる。

真か偽か、判断の根拠を示せ。

2 minutes

解答と解説 9-11

解答:「重さは見える」が誤り。「重さ」も「価値」と同様に対象の属性(性質)であり、直接「見える」ものではない。

解説:9-1に、この問題文のような回答がいくつかあったので注意しておきます。「見える」というのは厳密には「知覚できる」(感覚器官で感じ取れる、sensible)というべきですが、この講義では「見える」という日常的な言葉で代用しています。

9-11 の回答を 
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21/93 ...1点以上  23%

  分


問題 9-12

商品の価値を表現しただけでは、はかったことにはならない。

真か偽か、判断の根拠を示せ。

2 minutes

解答と解説 9-12

解答

真。価値表現は売り手によってうれるまで変更される。購買によって、価格が確定され、これではじめてはかられる。


解説

採点をしていたら、見事な正解がありました。

①「真である。価値は表現しただけでは変動の余地があるため、購入されるまではかったことにはならない。」これ、3点。

でも次のは、2点。

②「価値を表現し、買い手がそれを受け入れる(認める)ことで、はじめてはかったことになる。」

なぜ?

たしかに、最終的にはかられるのが購買のときだ、というのはその通り。でも、

『なぜ、表現だけでははかったことにならず、購買・実現が必要なのか?』

という問いに、

『なぜなら、「表現」ではなお、いつでも価格の変更・変動が許されるからだ』

とハッキリ答えて満点、としました。

9-12 の回答を 
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21/85 ...1点以上  25%

  分



問題 9-2

「100円玉があれば、100円の缶ジュースは、いつでも手に入る。しかし、100円の缶ジュースをもっていても、いつでも100円玉が手に入るとはかぎらない。同じ100円とい つても、100円の缶ジュー スには、本当は100円玉と同じ価値はないのだ。」

この主張は真か偽か。

3 minutes

解答と解説 9-2

解答

偽。100円の缶ジュースと100円玉 で,価値の「大きさ」に差があるわけではないが,100円の商品ならなんでもすぐに買える貨幣の価値と,買い手が現れるのを待つしかない 100円の缶ジュースの価値とでは「性質」が異なる。


参考

「ジュース1 缶に100円という 価格をつけたとしよう. これは「100円玉には,ある大きさの価値があり,ジュー ス 1 缶の価値の大きさもそれに等しい」 というのと同じだ. では,両方とも大きさが同じなのだから,ジュース1 缶と100円玉はまったく対等か,というとそう ではない. 100円玉をもっていれば,すぐにジュース1 缶が手に入るが,ジュース 1 缶をもっていても,すぐに100円玉が手に入るわけではない.ジュースは買われ るのを 「待つ身」なのである.

同じ大きさの価値でも,100円玉の100円はどのような商品に対しても100円 として交換する能力をもつ. ところが,缶ジュースの100円は,ジュースを求め ているものに対してだけしか,交換する能力をもたない. 缶ジュースと100円玉 で,価値の大きさに差があるわけではないが,いつでもすぐに買えるという主導権,イニシャティブをもっている貨幣の価値と,買い手が現れるのを待つしかない 100円の缶ジュースの価値とでは性質が異なるのである. 100円玉も缶ジュースも同じ「交換力」をもつが,その「交換性」が決定的に異なるのである.」(教科書 53頁 問題28の解答)

9-2 の回答を 
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38/91 ...1点以上  42%

  分
▶流通手段
問題 9-3

商品の「流通」 circulation というのは、商品が持ち主を次々に変更して、人々の手から手に流れることである。この商品の「流通」の定義は妥当か?判断の根拠を示せ。


解答と解説 9-3

解答:「次々に」が妥当ではない。商品の流通は一度だけ。

解説:図の南西から東北に向かう矢印が「商品の流通」です。商品は、売られると市場の外部に出てゆく。

circulation から circle を連想すると、循環する、次々に流れる、といった間違ったイメージをもっていまいます。

売り手から買い手に所有権が移る、一回限りの行為が「商品の流通」 circulation です。

9-3 の回答を 
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10/84 ...1点以上  12%

  分
3 minutes
問題 9-4

貨幣は、次々の購買が繰り返されることで、基本的に元の持ち主のところの還流してくる。これが貨幣の流通 current である。

この貨幣の「流通」の定義は妥当か。

3 minutes

解答と解説 9-4

妥当でない。貨幣は購買を通じて、元の持ち主からどんどん遠ざかってゆく。巡りめぐって元の持ち主のもとに返ってくるのはきわめて希な偶然。

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33/83 ...1点以上  40%

  分
問題 9-5

次の( )にはいる、適当な言葉をかんがえてみよ。

互いにgive and take をおこなう物々交換は、二人で(  )するだが、貨幣による商品流通は二人だけでは(  )しない。

1 minutes

解答と解説 9-5完結
9-5 の回答を 
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32/64 ...1点以上  50%

  分
▶蓄蔵手段
問題 9-6

「貨幣があれば、いつでもなんでも、その価格で買える。だから、余裕があれば人々は購買力を貨幣のかたちで蓄える。したがって、社会全体でみて、所得が増大すれば貨幣の保有量も増加する。」真か偽か。判断の根拠を示せ。

3 minutes

解答と解説 9-6

偽。購買力を蓄える手段は、貨幣だけではない。資産となるさまざまな商品が存在する。

9-6 の回答を 
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▶アンチミクロ

まとめ

  • 「在庫と貨幣が実在する市場」で、貨幣は次の機能を果たす。
  1. 買うことで値段を確定し、価値の大きさを最終的にはかる(価値尺度)
  2. 商品の持ち手の変換を次々に連結して商品を流通させる(流通手段)
  3. その間、必要な商品を必要なときに買える能力を保持させる(蓄蔵手段)

Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:30